有田

僕が紀伊半島一周の旅に行こうと思ったのは、特に理由があった訳ではありません。本当だったら九州とか北海道とかが、旅行先としてはBestですが、あまりお金がなかったし同期のKに誘われたので、何となく行くことに決めました。そして旅行の当日、「南紀ワイド周遊券」を買いました。

米原
昨日東京を一緒に出発したのは、僕とKとFの3人。ともに同じ歳で同学年。昔から乗りたかった「大垣行き」という夜行電車は、思ったより魅力のない電車でした。大垣駅で乗り継いだ電車は西明石行き。でも途中の米原で電車をおりました。米原の駅前は何もないところ。ここは東海道線と北陸線の分岐駅で、昔から街があったところではありません。

蝉の声の響く朝、今日も一日暑くなりそうです。駅前で煙草を一服。すると新幹線「ひかり」が米原駅を駆け抜けていきました。「ここから新幹線という手もあるな」なんて話しましたが、そんなにお金がない僕たちは、駅に戻って京都行き普通電車に乗りました。

京都
かなり満員の電車に揺られ京都駅に到着したのは10時頃。暫くは駅の待合室で休憩します。今考えると、見たいところがいっぱいあったのに、観光は全くしませんでした。彦根や安土の城跡を見るとか、琵琶湖を眺めるとか、昔修学旅行で行った嵐山に行ってみるとか。

結局京都では駅ビルの地下街で「そうめん」を食べただけ。それから僕たちは西明石行きの「新快速」で大阪まで。その「新快速」の素晴らしい車両にビックリしました。首都圏でいうと、「踊子」のような車両に急行券とか無しで乗れます。京阪神地区は私鉄との競争が激しいとは聞いてましたが、首都圏とはえらい違い。

大阪
「新快速」は大阪駅で降り、環状線に乗り換えて天王寺まで。電車はかなり混んでました。加えて大阪では電車の到着まで並んで待つという習慣がありません。満員電車の吊皮につかまって、大阪の市街を眺めます。

天王寺に到着すると、そこからは阪和線。大阪でも今考えると見たいところがあったのに、何も観光しませんでした。新世界、通天閣、なんばの繁華街とか。

阪和線
天王寺発の電車は田辺行きだったと記憶してます。横須賀線みたいな車両でした。座席には座れず、ずっとドアのところに立って、大阪の街並みを見てました。このとき、大阪では駐車場のことをモータープールと云うことを知りました。天王寺-和歌山間を品川-横浜間ぐらいだと思ってましたが大きな間違い。えらい時間が掛かりました。

湯浅
電車は和歌山駅を発車すると、それまでとは違って周りは田舎の風景になります。暫くすると海沿いを走りようになります。そして僕たち3人は「湯浅」という駅で下車。ここから歩いて有田のユースホステルに向かいます。湯浅の街中を歩き、橋を渡って登り坂になったところで、後ろからきた車が急に停まりました。運転してたオバサンが降りてきて「あんたたちユースいくんでしょ。乗っけてあげる」みたいなことを和歌山弁で話掛けてくれました。

ユースの前で車を降ろしてもらい、お礼を云うとオバサンは行ってしまいました。その有田ユースにチェックインし、早速お風呂に入ります。昨日は夜行電車だったので、お湯に浸かると疲れが抜けていきます。夕食もミーティングも終わって部屋にいると、今回一緒に旅行する1つ先輩のTさんが遅れてやってきました。

これから僕たちは4人で旅行することになります。

日の岬
翌朝、朝食を終えた僕たちは歩いて湯浅の駅まで行き、下り電車に乗って御坊で降ります。乗車時間は30分もありませんでした。この日も昨日と同じ夏の快晴。御坊駅前からバスに乗って日の岬というビュースポットに向かいます。あまりの暑さにバスを待つ間に缶コーラを1本。

バスに揺られて20分ほどで、終点の日の岬に到着。何てことは無い岬ですが、そこから見下ろす海の色にビックリ。水色というか緑というか、エメラルドグリーン。海岸の近くでは淡い水色、ちょっと沖は緑色。もっと沖は深い蒼。こんな綺麗な海を紀伊水道で見ることができるとは思ってもみませんでした。

御坊
御坊という街は国鉄の御坊駅からは遠く離れてます。帰りのバスは国鉄の駅まで行かず途中の御坊市街で降りました。降りた理由は昼食を食べるため。駅前には何もなかったので、市街地で降りた次第です。今回の旅行では同行者の意見が合わず苦労することになりますが、このときがその最初。僕はラーメン食べたいし、Fは蕎麦屋さん、Kは喫茶店がいいと云います。結局入ったお店は普通の何でもある食堂。

食後は街中をブラブラ。すると小さな駅がありました。紀州鉄道の紀伊御坊駅です。紀州鉄道は首都圏の新聞にも良く載ってました。リゾート開発とかホテルとか。その紀州鉄道がこんなローカル線とは知りませんでした。紀伊御坊駅から国鉄の御坊駅前までたった数分の乗車でした。

紀伊田辺
御坊駅から下り電車に乗って30分ほど。紀伊田辺の駅で電車を降ります。今日はここ田辺のユースホステルに泊ります。駅から歩いて10分ほどの市街地にある、そのユースはまるで民家です。泊るだけのユースで食事はありません。近くの喫茶店で夕食を食べました。その喫茶店にあったメニューにびっくり。カルピスコーラだって。

南紀白浜
次の日は朝から雨。台風が近づいてるそうです。昨日、夕食を食べた喫茶店でモーニングセットを戴きます。紀伊半島を旅してて、雨の日は魅力は半減以下。4人でその日の計画について話し合います。「パチンコやろう」とか、「食堂とかで飲んでよう」とか。その日、僕たちの泊る宿はユースホステルではなく、国民宿舎。先輩のTさんが旅行中どうしても宴会がやりたいとのことで、1泊は国民宿舎に泊る工程としてました。

結局は、白浜まで行こうということになり、紀伊田辺の駅から白浜まで。でも電車で10分ほどで到着。駅前からバスに乗って千畳敷とか三段壁のあるところまで行きました。台風がやってくるというこの日の三段壁は圧巻でした。波が絶壁にあたり、高さ数十メートルにも及ぶ飛沫が上がります。

笑ったのが「ハマブランカ」という施設。海のそばにあるカサブランカみたいなところという意味で付けた名前でしょう。その「ハマブランカ」はパスし、早めにその日に泊る国民宿舎に移動します。その国民宿舎は「しらら」と云い、白良浜に面したところ。その宿舎への移動もみんなバラバラ。ある者は雨の中歩いていくというし、ある者は水族館に行くというし。

その日の夕食後、部屋で飲んでも盛り上がるはずはありません。一応、先輩のTさんを立てて、その場を盛り上げようとしますが、それは心とは別の方向。結局白けて、みんなで寝てしまいました。

翌日、Kはひとりで先に出ていきました。残った僕とFとTさんは海水浴です。これはTさんのたっての希望。僕とFが付き合ってあげたという感じ。まあ、天気が回復し海水浴日和だったのがせめてもの救いでした。

不協和音の響く旅はまだまだ続きます。

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18:44 | '82.08紀伊半島 | comments (0) | trackbacks (0) | edit | page top↑
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